別に覚えなくていい名捨の過去とか概要とか

母親の卵子と父親の精子を、母親のイグナイトである培養槽に放り込んで、アビリティで作られた実験体「刹那」の中でも最も健康的に出来た個体、101番

自分の兄や姉や弟や妹に当たる個体が実験で消費される中、唯一健康的な個体として産まれたが故に、「実験体」として消費されるのではなく「人間」として育成される

人間としての名───ファンブルを踏み倒したことにより、この世から抹消された名は「刹那」。実験体としての名がそのまま流用された

両親は至って普通に愛情を注ぐが、どちらも一般的ではないことから微妙なズレが現れ、高等部から別居し始める

両親はたしかに愛していた

善意で多種多様な撮った写真を、苦痛に満ちた写真から安らかな写真を見せた

善意で多種多様な実験を、苦痛に満ちた実験から安らかな実験を、与えた

善意で兄弟姉妹の最後の姿や、日常を撮らせてあげた

善意で兄弟姉妹の最期の観察や、日常の観察をさせてあげた

その善意が、苦痛になっているとも知らずに

ファンブルを踏み倒したのは過去に六度

一で犠牲者の最期の姿を

二で犠牲者の最期の言葉を

三で自らが付けた犠牲者の名を

四で犠牲で成り立った実験の記録を

五で犠牲で生まれた姿を写した写真を

六で犠牲者の名前である自分の名を

もし、七があったのならば、それは何が支払われるのだろうか

イグナイトのアビリティで出てきているのは、実は1～100番のイグナイトとアビリティ。生成されたイグナイトの中に残留思念、あるいは魂が宿ったことによりアビリティもそれに近い沿った形で現れた

特に何もする気がないときは、1～5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、96～100番の個体が動いているが、戦闘時は全員が待機し始める

両親は、姉の好奇心から料理にされてはいる